アンケート調査の結果は数字で報告
されるので、それが万能であるかの
ように見えています。
その結果をもとに経営判断をして売
り上げが下降したりイメージを損ね
たりすると調査結果について疑問を
問うクライアントもあります。
アンケート調査は万能ではなく、一
つの道具であり道具を上手く利用で
きないのは、結果のみを見て判断し
しまっているからです。調査の過程
や調査対象者の声をきちんと聞かな
いと上手く利用することが出来ませ
ん。
【アンケート調査】調査結果は万能ではない
今回は調査結果が万能でない理由に
ついて説明します。
例えば、同じ質問票、同じ手法、同
じ回収数でで調査会社A、調査会社
Bにアンケートを依頼したとします。
調査日程はAもBも同じにします。
出てきた結果はどうでしょうか?理
論上は同じになるはずが、おそらく
同じ結果にならないはずです。
誤差の範囲内であれば上出来だと言
えます。
万能でない原因はいくつかあります。
原因について比較のしやすい電話ア
ンケート調査で説明します。
対象地域・対象者の抽出
全国調査を例にとると、抽出した際
に電話が使用されているかのチェッ
クをしているかいないか。対象なる
と地域は満遍なく抽出されているか
などで結果が異なってしまいます。
できるだけ使用する電話番号の抽出
はクライアント側で行い調査会社に
渡すことでこの問題を小さくするこ
とが可能です。
スーパーバイザーや調査員の熟練度
従事する調査員やスーパーバイザー
の熟練度によっても結果に大きく影
響します。慣れていないオペレータ
ーとベテランでは、同じ質問であっ
ても慣れにより聞き方が微妙にかわ
り協力率にも大きく影響を与えます。
熟練度については実際にクライアン
トが現場に立ち会ってフィールドワ
ークを最初から最後まで細かくチェ
ックすると良くわかると思います。
集計の仕方や修正の方法
集計方法も単純集計以外は会社によ
って違う場合があるので注意が必要
です。特に分析軸を使ってのクロス
集計は気を付けてみるのが良いでし
ょう。
結果をまとめる際の分析力
リサーチャーの分析力の差が結果に
左右することも多々あります。作業
が錯綜している場合は、些細なこと
も見逃して報告しない場合もありま
す。また良い結果のみを強調し悪い
結果を言わないのも、クライアント
のためにはなりません。
アンケート調査をしない
上記のようなことがあるから調査な
んてするだけ、お金の無駄と考える
企業の経営者の方もいます。
しかしながら自分が27年間調査会社
に携わり、アンケート調査を行って
いた経験上、調査結果を上手く利用
し、無名の企業から上場企業になっ
たクライアントをいくつも知ってい
ます。
無駄と考えるのではなく、判断する
ための道具を上手く活用していくと
思うと良いと思います。良い仕事を
するためには道具にこだわることも
必要です。
その道具も良い物かどうかは、実際
に触ったり、試すのと同じでアンケ
ート調査も実際に調査対象者の生の
声を聞いたり作業している現場を見
て結果を判断すると良いでしょう。
まとめ
アンケート調査は万能ではない理由
について説明しました。万能と考え
てしまうと思わぬところで判断を間
違ってしまいます。前提として万能
ではないけれど課題や問題点を把握
するための道具として上手く活用し
ていくとアンケート調査の必要性が
理解できると思います。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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