アンケート調査の集計はどのように
すればよいでしょうか。
アンケート調査をして集めたデータ
は集計をして、多くの人が見やすく
するためにグラフや表などを入れて
報告書を作ります。
今回は、この集めたデータを集計す
る手順と注意点について、調査会社
に勤めて実際に集計をしていた自分
が説明します。
これを読むことで報告書作成前の集
計の手順について理解できるように
なります。
【アンケート調査】集計する際の手順
アンケート調査で、集めたデータを
集計し、グラフや表などにしてわか
りやすくする必要がありますが、大
きく分けて①質問票の確認、②仕様
書の確認、③集計時のチェックの手
順について説明します。
調査対象者の確認
各質問が、対象者全員なのかそれと
も特定の条件の対象者だけが答える
質問かということが集計の際には重
要です。それにより集計後の表記も
「対象者全員」もしくは、「特定質
問の条件の対象者」というようにな
ります。誰に質問をしたのかを明確
にします。
質問タイプを確認
質問のタイプが単数回答なのか複数
回答であるのか、また数値項目の桁
数などを確認します。質問項目のタ
イプを把握することで適切な集計処
理が出来ます。
その他書き抜きや自由回答の確認
決まった選択肢に収まらず、その他
回答となったものの書き抜きや自由
回答での書き抜きを元のデータと突
き合わせします。
質問のロジック(論理的回答)確認
質問間に、例えば、男性の主婦や9
0代の学生などがいないかどうかを
確認します。ありえないこともない
ですが、一般的に男性の主婦や90
代の学生などはデータから除外して
集計します。
数値異常値の確認
たとえばひと月のお小遣いを尋ねる
質問を100人の人に聞いた場合に
、回答に1千万円や1億円などの記
入があった場合、異常値としてデー
タから除外します。
実際に 1千万円や1億円などいると
しても、100人を集計する際に1
人でもこのような数値が入ると平均
が引っ張られ高くなり、実態とかけ
離れてしまう可能性があるからです。
質問票の確認が出来たら、次に集計
の仕様書を確認します。ない場合は
作成します。
質問の項目数の確認
調査結果をペーパーで出力する際に
、選択肢が頁に収まる項目数である
かどうかを確認します。頁をまたぐ
と数値の把握がしずらくなります。
なるべく1頁に1つの質問を入れるよ
うにします。
合計や平均、標準偏差の確認
合算値、平均、反応個数、標準偏差
などが必要かどうかを確認します。
必要ならば設定します。
分析軸の項目数
分析する軸の項目数を確認します。
これも質問の項目数と同様に頁をま
たぐと分析がしずらくなります。
新変数の設定
例えば性別、年齢別がある場合に、
性別×年齢が必要かどうか地域など
がある場合さらに細分化が必要かど
うかなどを考えて質問票にないもの
を新変数として作成します。
ウェイトバック(重みづけ)
アンケートで回収した総数を母集団
に合わせるために係数(重み)をつ
けて集計するかどうかを検討します
。重みをつけて集計することで、母
集団の姿により近くなります。
注意点を確認したら調査票に沿って
、データを入力するための枠や見出
しの作成を集計ソフトで設定します
。集計ソフトには、SPSSやASSU
MS、SASなどがありますが、Exc
elでもピポットテーブルの機能使っ
てを簡単なクロス集計が出来ます。
データ入力が出来たら、次にデータ
チェックをします。データチェック
をして集計できるようにします。デ
ータチェックに関しては、それぞれ
の集計ソフトで設定が変わりますが
、次の点に注意してチェックをして
集計をして下さい。
関連チェック
AならばB、BならばA という関連
した質問の対象者数が抜けていない
かをチェックします。
Excelならばオートフィルタを使っ
て行うことが出来ます。
合計チェック
A+Bならば100というような合計値
のチェックをします。これもExcel
のオートSUMでも出来ます。
包含チェック
BはAに含まれる。例えば前質問で
知っているメーカー名を聞いた後に
、最も利用するメーカーを聞いた場
合は、最も利用するメーカーは知っ
ているメーカーに含まれるなどです。
不明チェック
全員が答えなければならない質問で
の抜けをチェックします。抜けてい
る場合はデータから除外するか、再
度、調査対象者に聞きなおし抜けを
埋めます。
こちらもExcelのオートフィルタで
チェック可能です。
ロジックチェック
例えば先ほどの、「男性の主婦」、
「未婚の主婦」、「90代の学生」と
いうような矛盾(実際にいないわけ
ではないです)を確認します。Exc
elのオートフィルタでチェックでき
ます。
データのチェックが終わったら、新
変数や分析軸を設定します。クロス
集計をする際には、分析軸を表側に
、項目を表頭にくるように集計し、
実数と%を出します。Excelで行う
場合はピポットテーブルで作成しま
す。行の欄に分析軸列に項目をもっ
てきます。
まとめ
今回は、集計する際の手順について
説明しました。集計ソフトの使い方
については、それぞれのお使いの集
計ソフトのマニュアルを参考にして
下さい。
データは生ものと一緒で、集計もな
るべくスピーディに行わないとその
価値は、時間とともに失われます。
また結果については、なるべくわか
りやすくグラフや表などを使うこと
が必要となります。
最後までご覧いただきありがとうございました。
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