【アンケート調査】電話アンケート調査の割付による回収法

アンケート調査を行う際にどのくら
いの人に協力をしてもらうのかを事
前に決めて目標数とします。目標数
は概ね地域×性×年代で決まります。

今回は、数ある調査手法の中から
「電話アンケート調査」での割付法
による回収を行う場合の手順と回収
方法について27年間調査に携わった
自分が説明します。
前述のとおりアンケート調査を行う
際の目標数は、人口構成に合わせた
サンプルを回収し分析することが多
くなります。割付は、地域×性別×
年齢で行われます。具体的な回収方
法について説明します。

【アンケート調査】電話アンケート調査の割付による回収法

【アンケート調査】電話アンケート調査の割付による回収法

電話アンケート調査を進める際に、
調査票にあいさつ文を載せて行いま
すが調査スタート直後は、１８以上
の全体対象者をターゲットに回収し
ていきます。

電話調査で電話に出る割合が最も多
いのが女性６０歳以上で電話に出た
方ばかりに調査協力をお願いすると
、当然女性の高齢層ばかり回収する
ことになります。

割付は人口構成に合わせた比率で回
収するため、地域×性別×年代にな
っており、管理者（もしくはスーパ
ーバイザーが割付を効率よく回収で
きるようにコントロールします。）
その際、調査オペレーターには、
地域×性×年代区切られた割付表を
配布して行います。

地域

アンケート調査での全国調査の場合
、地域をを8～12ブロックにわけて
行います。各地域は人口構成により
回収数も異なりますが、多数の電話
オペレーターで行う場合は、回収数
の比率に合わせた人数で全国一斉に
満遍なく行っていきます。

例）①北海道　②東北　③関東　④中部
　　⑤阪神　　⑥中国　⑦四国　⑧九州　

性別

電話アンケート調査では基本的に固
定電話にかけることが多く、固定電
話では、どうしても女性の高齢層に
偏りがちになるので男女半々にする
ために、女性がある程度の数が回収
できた時点で、電話に出た方へ男性
に変わってもらうように依頼します
。ただし平日の場合、仕事などで遅
くなることが多くなるので前もって
予約をする必要があります。

年代

電話アンケート調査では、特に若年
層を回収するのが難しいためはじめ
から若年層を優先して電話に出た家
族にお願いをしていきます。

回収数の調整

1000人の回収を3日間で行う場合に
は、理想としては、330づつ均等に
回収していくのが望ましいのですが
回収数は、季節や曜日、オペレータ
ーの人数、調査のテーマにによって
変動し、回収数を一定にすることが
難しいです。

また、回収しやすい性別や年代だけ
を先に回収してしまうと、残った属
性を回収するのが非常に困難になる
ため、管理者（もしくはスーパーバ
イザー）は1日1日状況に応じた割付
の回収数を決定する必要があります。

半止め

１日の目標数を決めたら、年代をな
るべく満遍なく回収していくように
するために他の年代をストップさせ
る「半止め」をします。ストップし
ている年代を回収しないようにする
ために、あいさつ文で性別や年代を
絞ってお願いしていきます。

ただし年代を絞ってお願いをすると
、調査対象の年代であっても「うち
には条件にあう年代はいません」と
断られることが多くなるため、調査
開始からなるべく若年層にかわって
もらうように電話をかけていきます。
前年代が対象であれば、協力率も年
代を絞ってかけるときより効率が上
がります。

携帯電話の場合

固定電話では、女性の高齢層が電話
に出ますが、携帯電話の場合は、年
代は満遍なく出てもらえます。ただ
し、いきなりの調査のお願いの電話
なので女性が男性より難しくなりま
す。（固定電話と違い個人の持ち物
である携帯の場合、女性の方が男性
より警戒します。）また地域もはじ
めに確認する必要があります。

固定+携帯電話

最近の全国の電話調査では、固定電
話、携帯電話それぞれの特性を活か
しサンプルを回収することが多くな
りました。携帯電話で若年層の意見
を聴取しつつ、固定電話で高齢層と
地域を調整します。

まとめ

電話アンケート調査を割付法で行う
場合の手順と回収方法について説明
しました。
アンケート調査回収にあたっては、
管理者（もしくはスーパーバイザー
）が過去のコール結果分析をもとに
、地域、季節、天候、曜日、時間帯
、オペレーター人数、地域のイベン
トなどを考慮してコントロールして
いく必要があります。上手く管理を
していくためには、多くの調査経験
を重ねていくことが重要です。